2018年03月01日

栴檀は双葉より芳し

 平昌の冬季オリンピック、日本選手の活躍には随分と感動させられましたね。
 羽生弦選手の金メダルは午後2時ぐらいでしたが、小平奈緒選手やパシュートの高木姉妹・佐藤・菊池各選手の金メダルは夜10時過ぎでしたから万歳とばかりに祝杯を上げました。そして閉会式前日にはスピードスケート・マススタートで高木菜那選手が金メダルそしてカーリングのLS北見の選手たちが銅メダルでこれまた祝杯になりました。

 平昌の冬季オリンピックでは、金メダリストのほかにも銀メダル・銅メダルを多くの選手が獲得し、8位以内の入賞者も数多く出て本当に素晴らしい成果を見せてくれました。

 今回タイトルに上げた「栴檀は双葉より芳し」という言葉はたまたま2日前に甲府のゴルフ場で耳にしたのですが、超一流のスポーツ選手や今回のオリンピックでメダリストになったような選手はまさにこの諺にぴったり当てはまる人たちなのだと思いました。

 この諺の意味は皆様既にご存知だとは思いますが、「大成する人物は幼い時から人並みはずれて優れている」ということです。

 男子フィギュアスケート銀メダルの宇野昌磨選手は幼いころ、浅田真央さんに勧められてフィギュアスケートをはじめ、毎日数百回もジャンプを飛び続けたそうですが、そういう厳しい訓練の積重ねがあってこその銀メダルなのだということを改めて感じました。

 今回目覚ましい躍進を遂げた女子スピードスケートもナショナルチームが招聘したオランダ人コーチの指導の下に徹底した科学的トレーニングで成果を上げたようですが、これも各選手の双葉のころからの訓練の積重ねの土台があってこそだと思います。

 北海道常呂町で育ったカーリング女子選手たち、人口3,000人の小さな町で、先駆者が情熱を傾けて育てていったカーリングという競技に、本当に小さいころからカーリングに取り組んで、20年もの歳月をかけてオリンピックでメダルの夢を叶えたと聞きました。

 才能のある人、ない人で結果は違ってくるでしょう。
白檀でない人がほとんどで、また双葉のころに芳しくない人がほとんどで、だからこそ芳しい人が脚光を浴びるわけですが、それでも「継続は力なり」です。
誰でも、決めた目標に向かって努力を続ければそれなりの成果は得られる。あきらめずに努力を続けることが大切なのだと改めて気づかされました。

私もあと半月ほどで後期高齢者の仲間入りをしますが、人生100年の時代にあってはまだ四半世紀も寿命が残っています。
新たな目標を定めて、しっかり前を向いて頑張っていきたいと思います。

以 上

posted by 木村登志男 at 11:35| 雑感

2018年02月01日

ゴルフとワイン


 「毎日が日曜日」の私は、ここ1年ぐらい再びゴルフとワインにはまっている。

1. ゴルフ
47歳で始めたゴルフの魅力に取りつかれ、会社在職中は夢中でゴルフにのめりこんだ。とは言え、自己流のフォームでがむしゃらにゴルフ場に通っただけだから、腕前のほうは一向に上がらなかった。
それでも、時々、ハーフ37とか39とかいう上級者並みのスコアが出て、「あれっ、俺上達したのかな」と思うような日もあった。まぐれでホールインワンをしたこともあるし、パー4で第2打が直接カップインしたり、パー5で第3打が直接カップインしてイーグルになったこともある。しかし、残念ながらそういう神がかりのような僥倖はまず再現しない。
結局、オフィシャル・ハンディキャップ18というのが、63歳で退任するまでの会社在籍中の実績であった。
会社を辞めた後、64歳から70歳まで、東京のビジネススクールで教授をしたが、その時は授業の準備に追われて研究室か書斎に籠りきりとなって、とてもゴルフどころではなくなってしまった。
そして東京を引き払って安曇野に戻ってきた2013年から、他にすることもないし、近所の人たちとお付き合いさせていただくにはゴルフをしようと思いたった。
ゴルフ再開にあたって、自分一人で練習場に行くのも心細いし、6年間もブランクを作ってしまったので、誰かに指導してもらわなければ上達もおぼつかないと、会社時代にもお世話になったA氏に頼み込んでみた。
幸いA氏は快く引き受けてくれて、毎週2日ほど夜間練習で指導してくれた。
そのおかげで、すぐに上達したと言いたいところだが、練習場ではそこそこできても、本番になるとなかなかうまくいかない。
A氏の指導は熱心で、指摘は的確であるが、教わる方の受け止め方もあるので、一進一退を繰り返しながら、徐々に良くなってきたという感じである。
指導を受け始めてから早5年が経過しようとしているが、昨年の秋ごろから、ようやく自分のスイング・フォームが固まってきたような気がする。そうなると、もっと良くするにはどうすればよいか、自分でも工夫するようになる。
今年に入って、1月5日の初ラウンドは群馬県のゴルフ場で、レギュラー・ティーから打って48・47=95、1月18日は甲府のゴルフ場で、52・47=99と二度続けて100が切れた。現役時代なら当たり前かもしれないが、75歳間近になってのことなので、幸先の良いスタートが切れたと嬉しく思っている。
こうなると、ゴルフの練習にも体力づくりにもさらに力が入ってくる。
今年はシニア・ティーではなく、レギュラー・ティーから二桁のスコアで回れるように精進したいと思っている。

2. ワイン
現役時代にため込んでおいたワインも大分少なくなってきたのだ1年ほど前からネット通販でワインを買うようになった。1度買うとその会社からやたらメールが来るようになって、ついついそのうたい文句に魅かれて買うことが多くなってしまった。
そんな時に家内の通っている料理教室の先生と生徒たちが東京に講習を受けに出かけた折り、銀座で食事とワインを楽しむからジョインしないかとのお誘いがあったので、いそいそと家内にくっついていった。昨年11月も末のことである。
「豚もおだてりゃ木に登る」性格の私は、食事の席でも、そのあとのワインバーの席でもワインをセレクトし、蘊蓄を傾けた。どうもそれが同席した先生や生徒さんたちのお気に召したらしい。
後日その先生と電話でお話しした折、「先生の教室でワイン会をするようならばお手伝いしますが」というと、それはいいですねということになって、来る2月下旬に先生の料理教室で10人前後の参加者を集めてワイン会を開催する運びになった。
とりあえず、初回のワイン会では白4本、赤4本合計8本用意して飲み比べをしてみましょうということにした。
さて問題はこれからである。もし、ワイン会を継続しようということになると、皆さんに喜んでもらうためには、こちらのワインの知識も積み増さなければならないし、ワインのストックを充実させておかないと対応できない。
というわけで、ネット通販からのワイン調達にますます弾みがついてしまった今日この頃である。

posted by 木村登志男 at 16:23| 雑感

2017年12月01日

Book Off活用のお勧め

 SOBA中堅社員研修の講師を頼まれて、6月から11月にかけて5回長野市に出かけました。
 研修会場に入る前に、時間の余裕が多少あるので、時間調整をかねてBook Offの店に立ち寄りました。
 9月、10月、11月と3か月連続で古い本を購入しました。理由はその安さと古くても役に立ちそうな内容です。
 1冊108円とか200円で買えるので、108円のものならば3冊買ってもトータル324円、1冊200円のものが混じっても416円で3冊買えます。
 11月に買ったのは2冊の単行本ですが、それぞれ108円でトータル216円。「ならずもの国家アメリカ」と「予測ビジネスで儲ける人びと」です。前者は現在のトランプ大統領のことではなく、ブッシュ・ジュニア大統領のころの話ですが、環境問題に関して日本がアメリカの立場に配慮しながらまとめ上げた「京都議定書」を批准しなかったり、包括的核実験禁止条約を拒否したり、自分に都合の良い時だけ国連を利用し、都合が悪くなると単独行動主義に切り替えるといったことをしてきたわけですが、やっていることはパリ条約を反故にしたトランプ大統領を彷彿とさせるものばかりです。共和党の大統領の時はこんなものなのかと思わずにはいられない内容です。
 後者は「すべての予測は予測はずれに終わる」というサブタイトルがついているのですが、アメリカだけで2,000億ドルの市場規模になるという予測ビジネス産業ですが、言われてみればなるほどと思います。それでも予測本に飛びつきますよね。
 なにはともあれ、216円で1週間読書を楽しめるのですからありがたい話です。
 10月の買った3冊はトータル416円でしたが、これも大いに楽しめました。
 以下はその読後感です。
<購入した書籍名>
(1)前田利家不倒の武将   加来耕三著・ベスト新書34(2002.1)¥108
   かぶき者から偉大な創業者へ
(2)物語アメリカの歴史   猿谷 要著・中公新書1042(1999.10)\108
   超大国の行方
   25年以上前に書かれているので、「東西冷戦の時代」が終わって、パパ・ブッシュ大統領の時代に入ったところで記述が終わっている。その後のクリントン、ブッシュ・ジュニア、オバマ、トランプ各大統領の時代をフォローする必要がある。
(3)松下幸之助と樋口廣太郎  皆木和義著・プレジデント(2000.10)\200
   人間経営の知恵、人を活かす発想  「首切り・リストラを禁じ手」とした二人がなぜ最後に勝利を得たのか?

<各書籍のエッセンスと学んだこと>
3冊ともに古い本ではあるが、今日的に学べることが多い。3冊合計わずか¥416円の投資効果は大きい。
(1) 前田利家不倒の武将
織田信長に傾倒した前田家の四男坊であり、かつかぶき者の武辺者が信長に認められ、信長の命令で長男を差し置いて家督を相続した。
柴田勝家の与力として賤ケ岳の合戦に参加しながら、途中で帰国し勝家を裏切って、結果的に秀吉側についた。裏切りという点では関ケ原の小早川秀秋と同じにもかかわらず、非難を受けていない。
その後秀吉の引き立てで大納言となり、五大老の次席となって秀頼を支えた。死にあったて息子利長を家康に従わせ、加賀100万石を幕末まで維持させるきっかけを与えた。もちろん2代利長,3代利常の懸命なお家維持の努力・徳川との血縁づくりなど多くの努力の結果ではあるが、
徳川幕藩体制下にあって、豊臣恩顧の大名家が次々と取り潰されるなか、最大の大名家を維持した前田家の生き残り策は大いに学ぶ価値がある。
(2) 物語アメリカの歴史
本書のなかで述べられている「日米が対等で仲が良かったことはない」「先進国対後進国、戦勝国対敗戦国というタテの関係の時は友好や蜜月の関係が続く」という指摘はなるほどと腑に落ちる。今の安倍政権のトランプへの服従姿勢は日米関係の蜜月化に間違いなく資するが、戦争のできる国に日本を変え、アメリカの軍需産業を潤わすことが本当に日本のためになるのかどうか、国民はよく考えたほうが良い。
戦後日米関係が悪化した時期は「対等」になりかかった時である。
*集中豪雨的輸出の時期(1973年〜80年)
 オイルショック後米国の大型乗用車が極度の不振に陥った。一方日本の燃費の良い小型乗用車は米国民の強い支持を受け輸出が急増した。
 いわば、成長した息子への父親のコンプレックスである。
*日本に学べの時期(1980年〜85年)
 トーフ,寿司 / デミング博士、リーン生産
*日本異質論から脅威論へ(1985年〜 )

本書を通してよくわかることは、イギリスを筆頭とする欧州系移民がい
かに原住民インディアンを征服し、アジア系移民を圧迫してきたことで
ある。“Go West”は当初はミシシッピー川を越える所を意味したが、や
がて太平洋を渡り、ハワイを征服してアメリカ合衆国に組込み、フィリ
ッピンを植民地にした。日本にも迫り、日米和親条約、日米通商条約を
他国に先駆け一番に締結した。
新興の帝国主義国として中国の利権を得るために英国チャーチル首相と
組んでルーズベルト大統領は日本に開戦を仕掛けた。その罠にみごとに
嵌った日本は「愚か者」と言わざるを得ないが、米国に徹底的に叩きの
めされ、その後唯々諾々と米国に追従したおかげで、今日の日本の平和
と繁栄があるのは歴史の皮肉か。

(3) 松下幸之助と樋口廣太郎
タイトルは松下幸之助と樋口廣太郎となっているが、アサヒビールを再興した樋口廣太郎中心の話である。樋口氏は同じ住友銀行出身でアサヒビールの前任社長村井氏に請われて住友銀行副頭取から転じたが、その背景は最年少で副頭取に昇進しながら、時の頭取、天皇と言われた磯田氏に嫌われ、そこを見抜いた村井氏が磯田氏に頭を下げてもらい受けた人材である。
ネアカ・人好き・感謝の心等多くの美徳を備えた樋口氏は銀行に未練を残さず、アサヒビールの人になりきって、村井氏が土台を築いたコクキレビールを育て、続くスーパードライで大ヒットを飛ばした。素直な心はキリンビール・サッポロビールの社長に挨拶に出向いた折り、アサヒビールの問題点を教わったという。
*コスト優先で「材料が良くない」
*売れないで3か月も店頭に置かれたビールがある
等の指摘を受け、コストより最良の商品・サービスが先だと悟って、それを社内に徹底した。
*ベストの材料を使え
*2週間売れないビールは店から引き取って回収
スーパードライの空前の大ヒットを受け、総額5,600億円の抜本的巨額設備投資を断行するなど常人の社長ではとても決断できない意思決定を行なった。
6年で社長を生え抜きの瀬戸氏にゆずってさわやかに退任し、経済戦略会議議長やニュービジネス協議会の会長を務める。

*念ずれば花開く
*温故創新
*慢心せずに謙虚に人の意見に耳を傾ける姿勢

<ニュービジネスの種は最新のトレンド以外にもありうる>
ニュービジネスのヒントは古いもののなかにもある。
現在のトレンドではない古い既存の業種や業態を調査研究することは非常に重要。
誰もが古いと思っていたものが、切り口を変えることで新鮮に感じられ、格好良く見える。
古いカビの生えたようなビジネス、衰退するビジネス、従来からイメージの悪い業界、そういう分野はねらい目である。

以 上
posted by 木村登志男 at 16:38| 雑感